多汗症
6月に入り、夏のような暑い日が続きますが、皆様体調はいかがでしょうか。筆者は汗かきのため苦労しています。
さて今回は、このような時期から困ることが多い多汗症について説明させて頂きます。
発汗は主に体温調節機能を担っていますが,その他、皮膚表面の適度な湿度を供給する機能や自然免疫などにより外界の細菌、ウイルスから体を守る作用もあると言われています。汗は皮膚が正常な役割を果たすためこのように重要な役割を果たしますが、頭部・顔面、手掌、足底、腋窩に温熱や精神的な負荷、またそれらによらずに大量の発汗がおこり、日常生活に支障をきたす状態を原発性局所多汗症と定義しています。
多汗症は、全身の発汗が増加する全身性多汗症と体の一部のみの発汗量が増加する局所性多汗症に分類されます。全身性多汗症には特に原因のない原発性(特発性)全身性多汗症と他の疾患に合併して起きる続発性全身性多汗症があり、続発性には結核などの感染症や甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫などの内分泌代謝異常、神経疾患や薬剤性の全身性多汗症があります。
原発性局所多汗症は、手のひら、足の裏、脇に多く生じ、原因は解明されていません。
原因不明の過剰な局所性発汗が6ヵ月以上持続して、以下の6項目中2項目以上を満たすと診断されます。
①両側性かつ左右対称性に多汗がみられる
②多汗によって日常生活に支障が生じている
③週1回以上の頻度で多汗エピソードがみられる
④25歳未満で発症した
⑤家族歴がある
⑥ 睡眠時は局所性の発汗がみられない
Hyperhidrosis Disease Severity Scale(HDSS)による重症度判定
3点および4点が、重症多汗症と判定されます。
①発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
②発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
③発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
④発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある
稲沢市にある当院では6月26日から脇の多汗症に対して薬による保険診療を始めます。「脇からの汗が気になる」「脇汗の治療はできますか?」と相談して頂ければ、「ラピフォートワイプ」による治療薬を開始します。お気軽のご相談下さい。
ラピフォートワイプ1包(28日分)の費用
2,200円(3割負担のとき)
734円(1割負担の時) 別途、初診料・再診料など