座る時間と健康
梅の便りも聞かれる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。今回は、座っている時間と健康についての論文を紹介したいと思います。
この研究は、J-MICC(Japan Multi-Institutional Collaborative Cohort)研究のデータを用いて、64 456人(男性29 022人、女性35 434人)の参加者を分析対象として、座っている時間と死亡リスクの関係を、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)の有無と、余暇時間の運動量に分けて検討されました。
参加者全体では、日中の座っている時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加することが認められました。
生活習慣病の有無有ごとに検討すると、脂質異常症(高脂血症)では18%、高血圧症では20%、糖尿病では27%の死亡リスク増加が認められました。余暇時間の身体活動が増えても、座位時間による死亡リスクの減少効果はわずかでした。
結論としては、座っている時間と死亡率増加との関連は、余暇の身体活動にかかわらず、高血圧、脂質異常症および糖尿病を有する患者でより強いことがわかりました。
生活習慣病の予防・治療をすることがまず重要ですが、日常生活の中で座る時間を短くすることも心掛けてみてください。
今後も皆様のお役に立てる健康情報などを紹介していきます。
J Am Heart Assoc. 2021 Jul 6; 10(13): e018293.