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青魚と健康

[2023.04.06]

桜花爛漫の好季節を迎え、ご清適にお過ごしのこととお慶び申し上げます。さて今回は、青魚と健康についての論文をいくつか紹介させて頂きます。

健康に良いとされるる一つとして、青魚に多く含まれる魚由来の n-3 系多価不飽和脂肪酸 (PUFA)という必須脂肪酸があります。

慢性腎臓病(CKD)の新規発症と青魚に多く含まれるn-3 PUFA摂取について、12か国19研究が統合され解析された結果が、2023年1月にBMJという雑誌に発表されました。25 ,570人が解析に含まれ、4944人(19.3%)が追跡調査中(追跡中央値11.3年)にCKDを発症しました。多変量調整モデルでは、魚介類の総n-3 PUFA量が多いほど、CKD発症リスクが低いことと関連していました。具体的には、魚介類のn-3 PUFA総量が最高5分の1の参加者は、最低5分の1の参加者と比較して、CKD発症リスクが13%低下していました。BMJ. 2023; 380: e072909.

その他にも、血圧に関する論文で、n-3 PUFAを2-3g(n-3 PUFA3gはサンマ1.5尾ほど)摂取がより効果的に血圧が下がるという報告(J Am Heart Assoc . 2022 Jun 7;11(11):e025071.)やn-3 PUFAの一種であるEPAは日本人の高脂血症患者において、心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中など)を予防したという報告もあります。(Lancet.2007;369:1090–1098.

n-3 PUFAは、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などの総称であり、内服薬としてはロトリガやエパデールという薬があります。

食事からなかなかn-3 PUFAの摂取が難しい方で、高脂血症などの病気を持っていらっしゃる方には内服薬としての摂取を推奨しています。

2023年8月からは当院に管理栄養士の先生が赴任されるため、より具体的な食事療法も組み合わせながら病気の発症予防、進展予防に努めてまいります。

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