持続血糖測定器(リブレ2)を導入しました
「糖尿病の治療で、一日に何度も指先に針を刺して血を出すのが辛い……」 「今の血糖値だけでなく、寝ている間や食後の動きも知りたい」
そんな患者様の悩みを解消し、より質の高い生活(QOL)を実現するために登場したのが、**持続血糖測定器「FreeStyleリブレ2(フリースタイルリブレ2)」**です。
当院では、最新の血糖管理ツールとしてこのリブレ2を導入しました。本記事では、その仕組みから、気になる保険適用、そしてインスリンを使っていない方でも利用できる**自費診療(選定療養)**について詳しく解説します。
1. フリースタイルリブレ2とは?
フリースタイルリブレ2は、二の腕の後ろ側に小さなセンサーを貼り付けることで、24時間、最長14日間連続で「血糖の変動」を記録できる医療機器です。
従来との大きな違い:スキャン不要のリアルタイム測定
これまでの「リブレ(初代)」は、自分でスマホや専用リーダーをセンサーにかざす(スキャンする)必要がありました。しかし、新しい**「リブレ2」**はBluetooth通信機能を搭載しており、スキャンしなくても自動的にスマホへデータが送られ、リアルタイムで今の数値が確認できるようになりました。
2. リブレ2の仕組み:なぜ針を刺さなくていいの?
リブレ2は、皮膚のすぐ下にある**「間質液(かんしつえき)」**という液体に含まれる糖の濃度(グルコース値)を測定しています。
「間質液」と「血糖値」の関係
血液中のブドウ糖(血糖)は、血管から染み出して細胞に栄養を届けます。この細胞の周りを満たしている液体が「間質液」です。 間質液の中の糖の濃度は、血液中の糖(血糖値)と連動して動くため、これを測ることで血糖値を推定できます。
-
メリット: センサーを一度貼れば、14日間、針を刺す痛みから解放されます。
-
注意点: 血糖値そのものではなく「間質液」を測っているため、血糖値が急激に変化している時(食後すぐや運動後など)は、**実際の血糖値とリブレの数値に5〜10分程度のタイムラグ(時間のズレ)**が生じることがあります。
3. リブレ2でわかること(メリット)
① 「点」ではなく「線」で見える
従来の指先採血(SMBG)は、その瞬間の「点」の数値しかわかりませんでした。リブレ2なら、24時間の変動が「線(グラフ)」で見えるため、以下のようなことがわかります。
-
寝ている間の低血糖(自分では気づきにくい)
-
食後、どの食べ物でどれくらい血糖値が跳ね上がったか(食後高血糖)
-
運動をした後に、いつ、どのくらい数値が下がったか
② 異常を知らせる「アラート機能」
リブレ2には、数値が低すぎたり高すぎたりしたときに、スマホが音や振動で知らせてくれる機能があります。これにより、重い低血糖になる前に気づいて対策(補食など)をとることができ、安全性が格段に向上しました。
4. 保険適用について:対象となる方
リブレ2は、全ての糖尿病患者様が保険で使えるわけではありません。厚生労働省のルールにより、以下の条件に当てはまる方が対象となります。
保険適用の主な対象者
-
1型糖尿病の方
-
2型糖尿病で、1日に2回以上(または1日1回以上で特定の条件下)インスリン注射を行っている方
-
糖尿病があり、医師が特に必要と認めた方(※2週間分のみで、健康保険が国保の方のみ適応。社保は非適応。)
5. 自費診療(選定療養)について:インスリンなしでも使いたい方へ
「インスリン注射はしていないけれど、ダイエットや健康管理のために血糖値の動きを知りたい」「飲み薬だけれど、食後の血糖値が気になる」という方も多いはずです。
これまでは、保険対象外の方は全額自己負担(自由診療)となり、ハードルが高いものでした。しかし、**2024年4月より「選定療養(せんていりょうよう)」**という仕組みが本格的に導入されました。
選定療養とは?
通常の診察(相談や血液検査など)は保険を適用し、リブレ2のセンサー代だけを**実費(自費)**で支払うことができる制度です。
-
費用の目安(当院の場合):
-
センサー1個(14日間分): 7,700円 (税込)
-
※スマホをお持ちでない方は、専用リーダー(初回のみ)の購入が必要になる場合があります。
-
【補足】選定療養のメリット 全額自費(自由診療)よりも患者様の負担が少なく、医療機関の専門的なアドバイスを受けながらリブレを活用できるのが大きなメリットです。
6. 使い方の流れ
-
診察・相談: 医師が状態を確認し、リブレ2の使用が適切か判断します。
-
装着: センサーを専用の器具で二の腕にカチッと装着します(痛みはほとんどありません)。
-
アプリ設定: お持ちのスマートフォンに専用アプリ「FreeStyleリブレLink」を入れ、初期設定を行います。
-
14日間の記録: 普段通りの生活を送ります。お風呂やシャワー、軽い運動も付けたまま可能です。
-
データ共有: 次回の来院時に、蓄積されたデータを医師と一緒に確認し、食事や薬の調整に役立てます。
7. まとめ
フリースタイルリブレ2は、単に数値を測る道具ではなく、**「自分の体の声を聞くためのツール」**です。何を食べたら上がるのか、どのくらいの散歩で下がるのかが目に見えることで、無理のない健康管理が可能になります。
「一度自分の血糖変動を見てみたい」という方は、保険適用・自費診療(選定療養)含め、お気軽に医師またはスタッフまでご相談ください。
