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不眠症

不眠症は罹患頻度の⾼い代表的な睡眠障害の⼀つです。成⼈の30%以上が⼊眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠困難などいずれかの不眠症状を有し、6〜10%が不眠症(原発性不眠症、精神⽣理性不眠症、その他の⼆次性不眠症など)に罹患していると言われています。不眠(特に慢性不眠)は、眠気、倦怠、集中困難、精神運動機能低下、抑うつや不安など多様な精神・⾝体症状(daytime impairment、health-related quality of life QOLの障害)を伴うことが多く、その結果、不眠症は、⻑期⽋勤や医療費の増加、⽣産性の低下、産業事故の増加など、さまざまな⼈的及び社会経済的損失をもたらすことが明らかとなり、公衆衛⽣学上の⼤きな課題の⼀つとなっています。

当院では、不眠の原因を問診で聞き取り極力薬剤に頼らず解決できるように努めております。

治療

非薬物療法・薬物療法に分かれ、成人の不眠では全員に対して、まず最初に認知行動療法を行い、上手くいかなければ、短期の薬物療法の利点・欠点について話し合い治療を決定していくことが推奨されています。(Ann Intern Med 2016;165:125-33.)

・非薬物療法(認知行動療法、リラクゼーション、運動療法)

・薬物療法(睡眠薬、鎮静系抗うつ薬、その他)

認知行動療法

・刺激統制法

方法:

寝るとき以外、ベッド(ふとん)に入らない。ベッドの中で悩んだり、何かを計画したりしない。眠れない時はベッドから出る。眠れない時はベッドから出る 

➡眠くなってからベッドに入る。ベッドに入っても眠れなければ、ベッドから離れる

目的・効果:『ベッド=覚醒する場所』という構図を(条件づけ)を崩す。『ベッド=眠ろうと努力する場所』という構図(条件づけ)を崩す

認知再構成

方法:「眠るためには早くベッドに入らないといけない」「また今日も眠れなかったら大変なことになる」といった不安を惹起する不合理な認知を特定し、修正する。

目的・効果:不眠を引き起こす不合理な認知を修正し、除く

睡眠衛生の改善

方法:夕方以降のカフェイン摂取を控える。寝酒をやめる。寝る前に画面(TV、スマホ、PC:ブルーライト)を見ない

定期的な運動を行う。睡眠薬を飲んで30分以上空けてからベッドに入る

目的・効果:不眠を引き起こす不適切な行動を修正する

睡眠制限法

方法:最初に起きる時間を決めて、実際の睡眠時間(+30分)だけベッド上にいても良いとする。逆算した時間に入床する

目的・効果:眠気を感じてから入床することで入眠に対する不安を減らす。睡眠時間を短くすることで睡眠の質を高める

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