下痢・便秘
「お腹の調子が悪いんです」
・下痢
始めに下痢が急性(急に始まった)か、慢性(4週間以上続いている)かを問診で確かめます。
原因検索と共に、脱水症に至っていないかを調べていきます。
急性の下痢の多くはウイルスによるもの(脱水を主に気をつければ自然に回復する)ですが、血便や強い腹痛、発熱を伴う場合などをと伴っている場合は重篤な病気が隠れている可能性があり注意が必要です。
慢性の下痢の場合、大腸癌や炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やCrohn病)の可能性を否定する必要があります。その他にも、慢性膵炎・アルコール多飲・糖尿病・甲状腺機能亢進症などが隠れている可能性があります。
過敏性腸症候群(IBS)は、過去3か月間、1カ月につき3日以上にわたって腹痛や腹部不快感があり、次の2つ以上が当てはまる場合に疑います。①排便により改善する②発症時に排便の頻度が変化する③発症時に便の正常が変化する(ローマ基準)
上記のように重篤な病気を除外しながら整腸剤や脱水を認めれば点滴などの加療を行っていきます。
・便秘
注意が必要なのは、腹痛を伴う急な発症・体重減少・食思不振・血便・嘔気・嘔吐などです。50歳以上の方は、便ヘモグロビン検査などのスクリーニングを行っていきます。
全身の病気として、甲状腺機能低下症・電解質異常(高Ca血症)・パーキンソン症候群・薬剤性などあるため、適宜検査を行っていきます。
その他の病気が否定的で、一般的な便秘(機能性便秘)の際は、下剤の処方や生活指導を行っていきます。