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尿の異常

尿の異常は全身の異常を反映する
尿の色でわかること
尿の泡立ち
蛋白尿
血尿
頻尿
排尿時痛

尿の異常は全身の異常を反映する

・腎臓の病気を疑ったらまずは尿の状態がどのようになっているか調べます。なぜなら「脳は全身の異常を映し出す鏡」だからです。

・尿検査から得られる情報は非常に多いです。

・ほとんどの腎臓病は自覚症状がありません。したがって、早期の腎臓の異常を確実に検出することが重要になります。

・腎臓病以外で尿に異常が現れる病態 ①尿比重(脱水など)②尿糖(糖尿病)③尿中ケトン(飢餓状態)④尿中ビリルビン(肝障害)⑤尿中白血球(尿路感染)

尿の色でわかること

・尿の色は淡い黄色ですが、状況により多少変化します。例えば、汗をたくさんかくと黄褐色の濃縮尿になり、水分を大量に摂取すると無色透明の希釈尿になります。

①褐色尿:茶色の尿(褐色尿、コーラのような色)の原因としては、腎臓、尿管または膀胱で出血が起こり、壊れたヘモグロビン(赤血球の成分)が尿中に漏れ出すことがあるほか、赤血球自体が損傷または破壊される一部の病気によっても、壊れたヘモグロビンが尿中に排出されることがあります。その他にも茶色の尿は、筋肉がひどく損傷した後に筋肉のタンパク質(ミオグロビン)が尿中に排出されたことで起きている可能性もあります。腎臓や膀胱の病気、血液の病気、筋肉の損傷などを病歴や薬剤歴、血液検査・尿検査で調べていきます。また、超音波検査やCT検査で腎臓の形態に異常がないか、尿路(尿の通り道)に異常がないかを確認します。

②混濁尿:尿が混濁している場合は、 尿路感染症(尿路に細菌が巣くう)によって増加した白血球、尿酸塩またはリン酸塩でできた結晶、あるいは腟からの分泌物が混入している可能性が疑われます。尿検査及び発熱などを伴えば血液検査、培養検査、超音波検査などを行い、尿路感染症の診断がつけば抗菌薬治療を行います。

尿が泡立ちが気になる

・なんらかの理由で尿の粘稠度が高くなると尿が泡立つようになります。病気の場合もありますが、病気でない場合もあります。

・腎臓や全身に病気無い場合、例えば、夏場や運動後に発汗量が増えている時など水分摂取量が不足すると尿が濃くなります。尿が濃くなると粘稠度が高くなって尿の泡立ちが目立つようになります。

・腎臓に病気があり、尿の中に大量の蛋白が排泄されている時にも尿の泡立ちが目立つようになります。

・全身の病気によって尿の泡立ちを認めることがあり、最も多いのは糖尿病です。血糖一定以上に高くなると尿の中に糖が排泄されるようになります。この尿糖が増加すると尿の粘稠度が高くなって尿の泡立ちが目立つようになります。

・その他にも血液中の蛋白が異常に増加して、それが尿蛋白として排泄される場合があります。白血病や多発性骨髄腫がこれに相当します。血液検査や尿検査で精査していきます。

蛋白尿

・蛋白尿とは、24時間当たり150mg以上の蛋白が尿中に排泄されることを言います。

・言い換えれば、正常でも1日150mg以下の微量な蛋白は出ていることになります。

・蛋白尿が出ていることは様々な腎疾患の初発症状出あることが多いです。

・とは言っても、少量の場合はほとんど無症状で、大量に出る場合は尿の泡立ちが目立ったり、足に浮腫みがでたりします。

・したがって、尿検査をして蛋白尿が出ていないか調べることは、腎疾患の早期診断に重要な役割を果たしています。

・蛋白尿を再検査し、必要によっては血液検査、超音波検査、腹部CTを組み合わせて治療方針(経過観察、投薬、腎生検のために紹介)決定を行います。

血尿

・スライドガラスに尿を1滴たらして観察した時に、400倍の視野で赤血球が5個以上みられる場合を血尿と呼びます。

・血尿は腎尿路系からの出血を意味します。血尿を認めたからと言って必ずしも腎臓病というわけではありません。年齢や性別、持病、血尿の期間や程度から病気を想定し検査を進めていきます。

・血尿の原因としては、腎炎・多発性嚢胞腎・尿路結石・尿路感染症・悪性腫瘍などがあります。

・尿を再検査し、必要によっては血液検査、超音波検査、腹部CTを組み合わせて治療方針(経過観察、投薬、腎生検や悪性腫瘍の精査のために紹介)決定を行います。

 

その他、排尿で気になることがあればお気軽にご相談ください。

文責 稲沢クリニック 副院長 橋本悠作 

医学博士 日本内科学会総合内科専門医

日本腎臓学会腎臓専門医 

日本透析医学会透析専門医

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