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高血圧症

高血圧とは

・血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管内で示す圧力、つまり血管の壁を押す力です。

・高血圧症とは、その力が一定以上高い状態のことをいいます。一時的に高い値を示すのは、病気としての高血圧症とはいいません。

・健康で若い人は、120/80mmHg(収縮期血圧/拡張期血圧)が一般的くらいで、診察時に測定する安静時血圧が、どちらか一方でも収縮期140mmHg/拡張期90mmHgを超えてきた時に、高血圧と診断されます。

・高血圧には、本態性性高血圧と二次性高血圧とがあります。

・二次性は、甲状腺や副腎などの病気がありそれが原因で高血圧を引き起こすものを言います。

・それに対して、大部分の高血圧はそれらの原因のない本態性高血圧です。

・本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、過度な飲酒、運動不足、ストレス、遺伝要素が組み合わさって起こると考えられています。

高血圧の症状・危険性

・高血圧の自覚症状がほとんとないことから「サイレントキラー」と呼ばれることもあります。

・血圧がかなり高い時には、頭痛、めまい、肩こり、脱力感などを生じることがあります。

・多くの方は、血圧を測定するのは年1回の健康診断くらいだとは思います。

・何年か健康診断を受けて、どんどん上昇していくのを契機に受診することが多いです。

・ほとんどの人で自覚症状がないにもかかわらず、動脈硬化が進行します。

・高血圧そのものが原因となる疾患もありますが、高血圧によって引き起こされる動脈硬化や、さらに臓器への負担がかかることでの臓器障害を起こします。

・具体的には、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、腎不全を引き起こしてきます。

・高血圧による脳卒中や心筋梗塞の脳心血管死亡者数は年間約10万人とされており、脳心血管死亡者のうちの原因として最大です。

高血圧の予防

・高血圧の予防としては、食事の塩分制限があります。

・目標は成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされ、日本高血圧学会では高血圧患者の減塩目標は1日6g未満にすることを推奨しています。

・その他にも、運動習慣や睡眠不足の解消、過剰な飲酒を避ける、減量をするなどがあります。

高血圧の治療

目標

・治療の目的は、数値の目標もありますが、ただ高い血圧を下げる、というより、高血圧による動脈硬化の予防と、臓器障害の進行予防です。

・実際、高血圧治療ガイドライン2019(日本高血圧学会)によると、まず130/80mmHg以下を目指します。

・ですが、120/80mmHgを超えてくると、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高くなることが研究でも示されており、より臓器障害を防ぐために、120/80mmHg以下を目標としています。

・ただし、高齢者では、下げすぎることによって、脳心血管イベントを誘発することもあり、過度の降圧には注意していきます。

・診察室での血圧だけでなく、家庭血圧をみることによって血圧をコントロールしていくことが必要になります。

治療内容

・薬物治療の代表的なお薬は、Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬(含αβ遮断薬)があります。それぞれのお薬には特徴があり、積極的適応や禁忌、慎重投与が必要な場合がありますので、高血圧の原因や合併症の病態に合わせて選択していきます。

・薬物治療以外では、食事、運動、嗜好品などの生活習慣を修正することで高血圧の予防や改善が期待できます。

・具体的には減塩、肥満の予防や改善、飲酒している人の節酒などに加えて、運動習慣や食事のパターンの見直しなどが有効です。禁煙も推奨されます。

・こういった生活習慣の修正はひとつだけを集中して行うよりも、組み合わせて行うことで効果が出てきます。

当院の方針

・軽症な高血圧の場合には生活習慣の修正から治療を始めます。

・薬を始めた後でも、これらの生活習慣の修正は有効で、うまくいくと薬の量を減らすのに役立つ場合があります。

・当院では、「とりあえず薬を出します」ではなく、受診される方の考えに合わせて(まずは生活習慣改善を頑張りたい、できるだけ早く血圧を下げたい)治療を行います。

・食事療法としては管理栄養士による栄養相談を受講して頂きます(当院で可能です)

・「降圧剤を飲み始めたら一生飲まないといけないと聞いた」と仰る患者様がいますが、当院では血圧変化によって中止されている患者様も多数いらっしゃいます。

高血圧と言われたら、一度ご相談下さい。

 

文責 稲沢クリニック 副院長 橋本悠作 

医学博士 日本内科学会総合内科専門医

日本腎臓学会腎臓専門医 

日本透析医学会透析専門医

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