むくみ
むくみ(浮腫)とは
浮腫とは、体内の水分が血管やリンパ管から漏れ出し、細胞間質液として皮下組織に溜まってしまう症状のことです。 足や顔、手などの部位がむくむのが一般的ですが、全身にむくみが出ることもあります。
浮腫の原因
浮腫の原因は、大きく分けて3つあります。
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静脈圧の上昇
静脈は、心臓から戻ってきた血液を全身に送り出す役割を担っています。 静脈の血液が流れにくくなると、静脈圧が上昇し、血管外に水分が漏れ出しやすくなります。
静脈圧が上昇する原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 心臓の機能が低下する(心不全)
- 血管が詰まる(深部静脈血栓症)
- 血管が弱くなる(下肢静脈瘤)
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浸透圧の変動
血管内と細胞間質液の浸透圧の差によって、水分は血管から細胞間質液に移動します。 浸透圧が低下すると、血管から細胞間質液への水分の移動量が増え、むくみやすくなります。
浸透圧が低下する原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 血漿タンパク質の量が減少する(低蛋白血症→肝不全、ネフローゼ症候群)
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炎症による血管壁の透過性の亢進
炎症によって血管壁の透過性が高まると、血管外に水分が漏れ出しやすくなります。
炎症の原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 感染症
- 外傷
- アレルギー
浮腫が引き起こされる病気
浮腫は、さまざまな病気の症状として現れることがあります。 浮腫が引き起こされる主な病気は、以下のとおりです。
- 心臓病(心不全、心筋梗塞、弁膜症)
- 腎臓病(慢性腎不全、ネフローゼ症候群)
- 肝臓病(肝硬変、肝不全)
- 甲状腺機能低下症
- 深部静脈血栓症
- 下肢静脈瘤
- リンパ浮腫
浮腫の検査
浮腫の原因を特定するために、以下の検査が行われることがあります。
- 血液検査
- 尿検査
- 心電図検査
- 胸部レントゲン検査
- 超音波検査
- CT検査
浮腫の処置や治療法
浮腫の処置や治療法は、浮腫の原因によって異なります。
- 静脈圧の上昇による浮腫
原因を特定した上で、利尿剤や弾性ストッキングによる圧迫療法などが行われます。
- 浸透圧の変動による浮腫
低蛋白血症による浮腫の場合は、原疾患の治療(肝不全、ネフローゼ症候群)を行い、利尿剤などを使用します。
- 炎症による浮腫
炎症の原因となっている病気の治療(感染症であれば抗菌薬)が中心となります。
また、浮腫の症状を軽減するために、以下のセルフケアを行うことも有効です。
- 足を高くして休む
- 弾性ストッキングを着用する
- 適度な運動をする
- 塩分を控える
当院では、問診・診察・血液検査・胸部レントゲン検査・超音波検査・CT検査を組み合わせ浮腫の診断・治療を行います。