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過活動性膀胱

過活動性膀胱とは

・急な尿意におそわれて、排尿のためにトイレに駆け込まなければいけない状況のことを指します。

・症状としては①昼間頻尿②夜間頻尿③尿意切迫感④切迫性尿失禁などがあります。

・尿意切迫感を必須の症状敏。通常は夜間頻尿と頻尿を伴う症候群です。

・原因疾患が多く、特定できないことがあり、病態生理や発生機序は詳細に解明されていません。

・日本人40歳以上を対象とした大規模調査では悠症状率は12.4%で加齢とともに上昇してくることが報告されています。

診断

・過活動性膀胱症状スコア Q3の点数が2点以上で、全質問の総合点数が3点以上であれば過活動膀胱と診断されます

・重症度判定 軽症(5点以下)、中等症(6~11点)、重症(12点以上)

質問 症状 頻度 点数
朝起きた時から夜寝る時までに、何回くらい尿をしましたか? 7回以下 0点
8~14回 1点
15回以上 2点
夜寝てから朝起きるまでに、何回くらい尿をするために起きましたか? 0回 0点
1回 1点
2回 2点
3回以上 3点
急に尿がしたくなり、我慢が難しいことがありましたか? なし 0点
週に1回より少ない 1点
週に1回以上 2点
1日1回くらい 3点
1日2~4回 4点
1日5回以上 5点
急に尿がしたくなり、我慢できずに尿をもらすことがありましたか? なし 0点
週に1回より少ない 1点
週に1回以上 2点
1日1回くらい 3点
1日2~4回 4点
1日5回以上 5点

原因

・過活動膀胱の分類は原因があるなしで分けています。

・排尿にかかわる神経に明らかな異常がある神経学的異常(脳血管障害、脊髄損傷、脳変性疾患など)に起因する神経因性過活動膀胱と神経的な異常がない非神経因性(特発性)過活動膀胱に大別できます。

特発性過活動膀胱の原因として、加齢、膀胱の血流障害、生活習慣病、全身の炎症性疾患などとの関連が指摘されていますが、明確な原因が特定できない特発性過活動性膀胱が大半を占めます。

治療

・まずは過活動膀胱と同様の症状を起こす他の疾患がある場合には、そちらの治療を優先します。

・過活動膀胱の治療には、行動療法、薬物療法の2つがメインです。

・行動療法はご自身でしてもらうことがメインであり、薬物療法はクリニックで処方をします。

・難治性の場合は、高度医療機関にご紹介します。

・行動療法としては、生活指導(体重減少、運動療法、禁煙、食事、飲水指導、便秘治療)を行うことで体質改善を図り、症状が改善することもあります。

・高齢の場合、冷えでも頻尿となりうるため、防寒対策なども重要です。

・薬物療法としては膀胱容量拡大を目的として、抗コリン薬やβ3受容体刺激薬を中心として治療を行います。

・治療薬の有害事象として、抗コリン薬では便秘/口腔内乾燥、β3受容体刺激薬では血圧上昇や頻脈などに注意します。

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