ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群とは
・ネフローゼ症候群とは、尿にたんぱくが大量に出てしまうために、血液中のたんぱくが減ったりすることの結果、浮腫みが起こる疾患です。
・ネフローゼが高度になると足が浮腫むだけではなく、肺やお腹、心臓にも水がたまり、また感染症などを合併することがあります。
症状
・むくみ(浮腫)の他に、体重増加や倦怠感、尿の泡立ちなどがあります。
・軽度の場合、症状があまり認められず、検診で指摘されることもあります。
検査
・尿検査で、蛋白尿が1日3.5g以上出ていること、血液検査で血清アルブミン濃度が3.0mg/dL以下となっていることを調べ診断します。
・原因を調べるために血液検査を行い、腎生検が必要であれば高次医療機関にご紹介させて頂きます。
・腎生検が可能か腎臓を超音波検査で評価を行います。
原因
・原因には①微小変化型ネフローゼ症候群②巣状分節性糸球体硬化症③膜性腎症④増殖性糸球体腎炎⑤ループス腎炎⑥紫斑病性腎炎⑦糖尿病などがあります。
治療
・治療で最も重要なことは蛋白尿を減らすことで、尿蛋白が多い状態が持続すると、腎臓の機能が落ちたり、免疫力が低下し感染症になりやすくなります。
・原因疾患にもよりますが、治療の中心となるのは副腎皮質ステロイドと免疫抑制剤です。
・塩分制限などの食事療法や降圧剤を組み合わせて治療を行います。
・当院では、ネフローゼ症候群の早期発見に努め、またステロイドの減量や減量後のフォローも行っております。
参考文献:日本腎臓学会 ネフローゼ症候群診療ガイドライン2020