メニュー

痛くないワクチン、フルミストのQ &A

[2025.10.07]

涼しい日が増えてきたこの頃、皆様気温の変化に体調など崩されぬようお過ごしください。さて、今回はインフルエンザワクチンであるフルミストについてのQ &Aを作成しました。ご参照ください。

Q1. フルミストとはどのようなワクチンですか?

A. フルミストは、注射ではなく鼻の中にスプレーして接種するタイプのインフルエンザワクチンです。弱毒化(毒性を弱めた)した生きたインフルエンザウイルスを使用する「弱毒生ワクチン」で、インフルエンザウイルスが体内に侵入する鼻やのどの粘膜で、自然に近い形で免疫をつけさせることを目的としています。

Q2. 従来の注射型ワクチンと比べて、どのようなメリットがありますか?

A. 主なメリットは以下の通りです。

  1. 痛くない:注射針を使用しないため、痛みがありません。注射が苦手なお子様にもおすすめです。

  2. 接種回数が少ない:通常、対象年齢(2歳〜18歳)では1回の接種で完了します。(従来の注射型ワクチンは、13歳未満の場合2回接種が基本です。)

  3. 高い予防効果が期待できる:インフルエンザウイルスの感染経路である鼻腔に直接免疫を作るため、特に小児において高い発症予防効果が期待されています。

  4. 効果の持続期間が長い:一般的な注射型ワクチン(不活化ワクチン)よりも効果の持続期間が長い(約1シーズン)とされています。

Q3. 接種の対象年齢を教えてください。

A. 日本国内で承認されているフルミストの接種対象は、2歳以上19歳未満の方です。 ※接種時には、健康状態などにより接種できない場合があります。

Q4. 接種後の副反応にはどのようなものがありますか?

A. 弱毒化された生きたウイルスを鼻に噴霧するため、接種後2日〜8日頃に軽い風邪のような症状が出ることがあります。

  • 主な症状:鼻水、鼻づまり(鼻閉)、のどの痛み、咳

  • まれな症状:微熱、頭痛

これらの症状は軽度で自然に軽快することがほとんどです。重い副反応は非常にまれですが、万が一気になる症状があれば、速やかにご相談ください。

Q5. 鼻水や鼻づまりがある場合でも接種できますか?

A. 鼻水がひどい、または鼻づまりが目立つ場合、ワクチンが鼻の粘膜に適切に付着せず、効果が減弱する可能性があります。そのため、当院では症状が強い場合は接種を見送っていただくか、注射型ワクチンをご案内することがあります。

Q6. 接種後、すぐに鼻をかんだり、くしゃみをしても大丈夫ですか?

A. 接種後に鼻をかんだり、くしゃみをしたりしても問題ありません。インフルエンザ予防に十分な量が接種されており、効果に大きな影響はありませんのでご安心ください。

Q7. 他のワクチンとの接種間隔は必要ですか?

A. フルミストは経鼻で投与する生ワクチンですが、他のワクチン(生ワクチン・不活化ワクチン問わず)との同時接種や、接種間隔について特に制限はありません。ただし、念のため他のワクチンとの接種を希望される場合は、ご予約の際にご相談ください。

Q8. 接種できない、または注意が必要な人はいますか?

A. 以下に該当する方は、原則として接種できません。

  • 2歳未満、19歳以上の方

  • 重度の免疫不全がある方、または免疫抑制作用のある治療を受けている方

  • 喘息の症状が安定していない方、または最近喘息発作があった方

  • 卵やゼラチン、その他のワクチン成分に対し、重度のアナフィラキシーなどのアレルギー既往がある方

  • アスピリン(アセチルサリチル酸)を服用している方(川崎病などの治療中の方)

また、接種後1~2週間は、重度の免疫不全者との濃厚な接触を避ける必要があります。詳しくは問診の際にご確認ください

Q9. 年齢制限が2歳から19歳未満なのはなぜですか?

A. ワクチン「フルミスト」の年齢制限が2歳から19歳未満と定められている主な理由は、安全性と有効性が確立されている層がその範囲であるためです。

特に以下の2点に理由があります。

1. 2歳未満が接種できない理由(下限)

重篤な呼吸器系の副反応のリスク増加が懸念されるためです。

  • 海外での臨床試験において、2歳未満の小児にフルミストを接種した後、入院や喘鳴(ぜんめい:ゼーゼーする呼吸)のリスクが増大したとの報告があります。

  • 2歳未満の乳幼児は、気道が狭く、生ワクチンによる局所的な免疫反応が喘息のような呼吸器症状を引き起こしやすいと考えられています。

  • 現時点では、2歳未満の安全性・有効性が十分に確認されていないため、接種対象外とされています。

2. 19歳以上が接種できない理由(上限)

成人を対象とした日本国内での臨床試験データが不足しているためです。

  • フルミストが日本国内で承認を得るための臨床試験は、主に2歳以上19歳未満を対象に実施されました。

  • 医薬品として承認されるには、その年齢層での有効性や安全性のデータが必須となるため、現在の国内承認上のルールでは19歳以上は接種対象外とされています。

  • ただし、このワクチンはインフルエンザウイルスが体内に侵入する鼻の粘膜で免疫を作るため、特に免疫機能が活発で、鼻粘膜でのウイルス感染・増殖が起こりやすい小児や若年者で高い効果が期待されています。

これらの理由から、フルミストは**「2歳から19歳未満」**という年齢制限が設定されています。

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME